バックトゥザフューチャーノススメ
インディージョーンズ、ET、グーニーズ、ターミネーター、ロボコップ、ダイハード…80年代というのは、エンターテインメントとして魅力的な洋画にあふれた時代だったと思います。
そして今回の本題、バック・トゥ・ザ・フューチャー。
このたび金曜ロードショーが、視聴者リクエストが多かったとのことで放送してくれました。たしかにかつて、金ローのほか、ゴールデン洋画劇場や日曜洋画劇場など、テレビでの映画放送枠が多くあった頃、よくよく放送されていました。
ということで、鑑賞記念にこの良作について記してみます。
それではあらましをば。
1985年公開。ロバート・ゼメキス監督作品。マイケル・J・フォックス主演。製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグの名が。
高校生の主人公マーティはちょっとしたトラブルにより、友達の科学者ドクの発明した車型タイムマシンで、30年前にタイムスリップしてしまう。はからずも両親の出会いを邪魔してしまったマーティは、自身の存在存続を賭け、また、元の時代へ戻るために奔走するのだが…。という具合の、コメディタッチのSFアドベンチャー。
個人的なみどころをば。
・抜群のテンポ感
序盤の些細な描写が見事な伏線として作用し、物語を軽快に転がしていきます。ディテールを掘り下げるほど面白い。続編に入ると、Part1・2・3にまたがる仕掛けも登場。順番通りの全制覇を推奨します。
・時代間ギャップのコメディっぷり
マーティが過去を見た景色、ドクが未来を見た景色。二つの時代をまたいで描くことで、世代間ギャップが双方向から考察できます。価値観は経験で育つ。お互い間違っていないからこそギャップが埋まることはない。これもこれで、ちょっとした「すれ違いコント」だと思います。
・高校生主人公と老齢科学者の友情と絆
年の差コンビの絶妙な掛け合いとお互いを想う心が繋げる奇跡。上記のギャップなんて、二人にとってはたいした障害にならないんです。
・音楽まわりの楽しさ
とりわけエッジの効いた時間トリックは見もの。映り込む楽器も多く、プロダクトプレイスメント*1(音楽以外もいろいろソリッド)を感じるのもあり。
・親子それぞれの成長
マーティのお父さんジョージは、弱気で残念なキャラクターなのですが、未来から来た息子の影響を受けながらさまざまな巡り合わせで得た力で運命を切り拓いていきます。そのネガティブを一部受け継いでいる息子マーティもまた然り。
・行き詰まっているような「今」を切り拓く勇気をくれる
自信がなくて二の足を踏んじゃうようなときも、一歩踏み出そう。そんなエールがこめられています。
此度のオンエアはフル尺ではなく、あちこちカットされていました。洋画の場合、見たことがあって話を知っていると、今回はどう翻訳されているのかな、という興味も湧くのですが、確認したかったところが切られていたので、個人的にはちょっぴり残念でしたね。CMの入りどころも回によって変わったりします。
DVDは持っていないのに結構細かく覚えているのは、かつてビデオに録画して繰り返し見ていたからです。織田裕二版の翻訳がこなれてて好きでした。三ツ矢雄二氏のバージョンが最も多く放送されていた印象で、さすがの安定感。今回のマーティは山寺宏一氏でした。山ちゃんはほんと器用。
そういう経緯があったので、スポンサーCMに織田裕二氏が登場してきたときはちょっと面白かったです。たまたまかしら?
文化祭の教室で流していたビデオでバックトゥザフューチャーを覚えるほど見た。
かつて「アメトーーーク」の「中学イケてない芸人」で、笑い飯の西田さんがそう言って笑いを誘っていましたが、カット箇所に気づく私もまあまあ同類です。今回3週連続でシリーズを放送してくれるということでしたが、だったら録画しとこう、と思うくらいには好きです。
ところが。
どういうわけか録画が途中で切れてた…
録画データの不具合を正常補正する発明してもらえませんか?
とドクに頼んでみたいもんだ。
*1:広告の一種。社名や商品名を創作物の中に登場させること