書きもの日和。

ぴよこむしの徒然雑記です ひよこむしだったこともあります

HARAさんのリモートマジックをやってみたらできた件

はじめに

 

 7月7日夜7時から!と沢村一樹さんが宣伝していた新番組「これって私だけ?」朝日放送テレビ)を見ていたら、イリュージョニストとして世界で活躍しているというHARAさん(原大樹さん)のマジックを拝むことになりました。

 

 見たのはたまたまだったのですが、その番組の最後に披露してくれたのが、お茶の間の視聴者にトランプのカード5枚を見せて選ばせ、当てるというマジック。まじめにテレビ画面に向かって「これ!」と選んでみたところ、見事に当てられてしまったので、どういうことかな、と考えてみました。

 たぶんこうだったんじゃないか、というお話です。が、自分の理論で身内にこのマジックを試したところ成功したので、合っているかはどうあれ成立はしていますよ。

 

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マジシャンてほんとエンターテイナー

 

 = 目 次 = 

  

リモートマジックやってみましょう

 

 それでは考察がてら疑似的にやってみることにします。

 

 トランプ5枚です。直感で好きなカードを選んでみてください。

 

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 決めましたか? そうしたら選んだカードをじっくり覚えてくださいね。

 

 じっくり。

 

 じっくり。

 

 実際にはトランプを使ってやるものですが、ここでは画像を用いて代替します。

 

 それではここで、あなたの選んだカードをこちらでも選びますね。

 5枚の中から1枚抜きます。

 そう。筆者はあなたの選ぶカードがわかるんですよ。

 

 

 はい。

 

 

 では、残ったカードがここに4枚。

 

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 いかがですか? 当たってませんか?

 

 ね。筆者は特段手品の心得などないのですが、そんな素人でもできちゃうんですよ。しかもブログでも。

 

 タネ、わかりました?

 

 ではどうしてこういうことができたのか、というお話。

 

 HARAさんの正解かはわかりませんが、ここからはぴよこむし的ネタバレです。

 

 

種明かし

 

 マジックの流れはこうです。

 

 (1)相手に5枚の絵札を見せて選んでもらう

 (2)5枚を引き上げてこちらで1枚選ぶ

 (3)4枚の絵札を見せて相手の札がないことを確認してもらう

 

 (1)はつかみでまずやってもらうやつ。ババ抜きとかの時のように5枚をずらして持ち、相手に見せます。もう仕掛けは始まっていますよ。

 

 (2)からより本番。1枚選ぶくだりは、実はどのカードであっても問題ありません。リモートならむしろ、力まず流しちゃった方が自然かも。この動作をクローズアップするなら選んだカードは伏せるなど相手に見えないよう配慮が必要。

 

 そして(3)。ここで、別途用意していた全く別の絵札4枚を相手に差し出して見せます。

 

 ん?

 

 と思われました?

 

 ここがこのマジックの一番のミソ。後から確認してもらう4枚のカードは、最初に見せた5枚とは全部違うカードなんです。つまり、(1)で相手がどのカードを選んでいようと、(3)で差し出した4枚のカードとは必ず一致しないということ。

 

 相手は最初の5枚と後の4枚を、手品の流れから勝手に同一のものと錯覚してしまうというわけです。裏面の柄が同じだけなんですけどね。自分の選んだカードがここにないということは、こちらが1枚抜いたやつが自分の選んだカードだったんだ、と思い込んでくれるんですね。全部絵札で行うというのがポイント。似た絵柄が、覚えていない札の記憶をより紛らわしくしてくれます。カードはずらし持ちした束を見せてますので、情報が数字とマークに集中しやすい。カードをテーブル置きしないちょっとした不自然も、リモート環境なら馴染みます。

 

 捨てたほうの4枚から意識を逸らしてもらうため、筆者も選んだカードを記憶してもらうことに気を付けて書きました。実際にリモートでやるなら、お相手との普段のテンションで適当な会話を一つはさむと良いと思います。HARAさんは別のマジックのとき「〇〇さんはトランプが似合いますね」などと軽妙な雑談を織り交ぜながら進めていましたので、雰囲気を壊さずに目論見通り手品を進めるスキルが大切なんだなあと感じました。むしろ空気が変になりそうなら手順に沿うことに徹すればOK。

 

 そんなカードのすり替えなんてできない? いえ、今回はリモートマジック。Zoomとかで画面越しにやるなら、ちょっとテーブルの下とか、死角になる場所に(3)の4枚を準備しておけばよいのですから、心得のない人でも大丈夫。目の前じゃないからこそ、の設定をすら手品のタネの一部にしちゃうんですね。

 

 それで、当たった!すごい! ってなる。

 気持ちよく驚いてもらえたらこちらもうれしいですよね。

 

おわりに

 

 最後にもうひとつ。

 実は筆者、このタネの検証はリモートでなく、相手の目の前でやりました。そのときトランプが手元になくて、両面無地の紙にフリーハンドでトランプっぽい絵を描き、紙をひっくり返してやったんです。

 

 「実は選ぶカードわかってたからこの紙の裏にカード抜いたつもりで描いといた」

 

 とかなんとか言って。筆者はあまり絵心がなく、あの独特の絵柄はよけい描けないので、マークと数字だけで勝負したのですがうまくいきましたよ。お相手によってはこういう持って行き方でもありだと思います。こうしたちょっとしたネタの複合でマジックってできてるんでしょうね。