書きもの日和。

ぴよこむしの徒然雑記です ひよこむしだったこともあります

治らない病気?気づかない病&やらない病

 スーパーの棚に品物が戻ってきている気がします。すっからかんだった即席ラーメンの棚がきれいに埋まっているのを見ました。何かを欲しいなと思ったときにすんなり買える、というのは実に幸せなことだったんだなとしみじみ感じました。日常が地続きで流れていたら、ありがたみに気づけなかったかもしれません。

 そのように、失わないと存在の価値に気づかないケースがままあります。気づかない病、と標題で記した件です。

 

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 たとえば風邪を引いてしまったとき、普通に過ごせていた昨日までの日々が途端に恋しくなったりしませんか? たとえ極上の幸せエピソードがなかったとしても、熱もない、咳やくしゃみも関係ない、そういう平凡がどれだけ素晴らしかったことか。と、思い知るのです。

 そして、学校を休んだり仕事に無理矢理出たり辛い思いをして、いつしか心の中で強く思うのです。風邪を引かないようにしなければ。体に気を付けよう。いつも通り万歳、と。気づかない病からのセルフメデュケーション*1の一例ですね。

 

 ところが。 

 喉元過ぎればなんとやら。治ってしまうと、昨日立てた誓いもすっ飛んでしまうのが人の哀しい性。そうして人は過ちを繰り返すのです。

 

 やらない病、と標題で記した件ですね。

 

 上京したり独り立ちしたりで、実家を出る運びになった時も、同じようなことが起こります。家を出て自活することによって、それまで当たり前だった実家暮らしというものがどれだけ恵まれていたのだろうと思い知ります。

 ごはんが出てきて、お風呂が沸いてて、物資やお金をねだることもできる(叶うか否かは別として、そういう相談ができる環境にある、ということが価値)。一人暮らしは言ってみれば「井の外の蛙」。一人で生活を回しながら、親のありがたみを味わう時間でもあると思います。

 

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気づかない病だったことに気づいたときの筆者


  

 ところが。

 そう思うんだったら、実家に顔を見せに行くなりなんなり、感謝を行動で示せばよいのに、学校が忙しい、仕事が忙しい、デートが忙しい、趣味が忙しい、などと自分の都合で動いてしまいがちなのが自活の難しいところ。家族を持てば、時間と手間の工面がより大変になります。

 

 こちら、気づかない病からのやらない病のよくあるコンボです。

 

 そうこうしているうちに大切な家族は少しずつ年老いていってしまいます。自立は自律。親孝行はなるべく「すぐやる課」の気持ちで、率先して動きたいものです。

 

 失恋など、良好だった人間関係が失われた時も該当するかもしれません。そこにぽっかり穴が空いてしまって、でも何物にもそれを埋めることはできなくて。気づかない病は周囲の環境から告知が舞い込むような病気ですが、このケースの直接的な告知は衝撃が大きめです。従来なら、スーパーの棚より症例が多そうですね。

 こちらは、突き付けられてから慌ててやらない病に取り組んだところで時すでに遅し、事態そのものの修復は不可能となっている場合もあり、気づかない病の早期発見が肝要と思われます。

 

 こと恋愛沙汰に関し厄介なのは、いろいろな意味で盲目になりがちというところです。たとえば身近にいる誰かが「気づかない病になってるんじゃ?」と気づいて指摘してくれたとしても、なかなかその告知に向き合わない患者さんが見受けられます。

 こんなにうまくいっているのだからそんなわけないよ、と取り合わなかったり、こんなにうまくいってる自分に横やり入れてくるなんて正直うざい、と迷惑がってしまったり。

 思い込み、自分自身への過信などから、患っているのに見過ごされてしまう。「当たり前」に慣れてしまい、そこにある価値に気づこうとする意識自体が働かなくなっていく気づかない病の怖いところですね。

 

 ですから、これらの病気は患う前に予防しておくのが大切なんだと思います。

 

 気づかない病やらない病は、いつ誰がなってもおかしくない、という意識を持つこと。それを忘れずにいること。

 

 つまり、それが大事なんじゃないでしょうか。

 

 

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大切な何かが駄目になってしまう前に


 そのために自分ができることをする。ちゃんと続ける。

 単純だけどとても難しいことです。にんげんだもの

 

 わかっているからこそ、せめてこれ以上駄目にならないように気を付けよう。と帯を締め直す筆者なのでした。

 

 ちなみに、当記事内に登場する病名は、概念をわかりやすくするための造語であり、医学的な呼び名ではありませんよ。念のため。

 

 

 

*1:様々な体調不良について自分で取り組むこと