ゴーカ!ごーかい!?ファントムシーフ!考察~ギター編
はじめに
執筆日現在、リズムゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」を始めて半年弱のぴよこむしです。このほど初めてここの音楽を買ってみました。
「ゴーカ!ごーかい!?ファントムシーフ!」です。
びっくりマーク多。
ジャズ系アッパー曲が好きな人はハマれる一曲ですね。ルパン三世のメインテーマにアガる、名探偵コナンのメインテーマに燃える、「Paradise Has No Border」系スカパラ曲に惚れる、というようなかたには馴染むはず。
そんなわけで曲的に気に入ってて、譜面は難しくてまだまだながら、よくよく遊ばせてもらっています。ハロハピは打ってて楽しい曲が多い印象。クセがすごいけど。
で、楽しく繰り返し聴いていたら、ギターの音がリアルに怪盗さんじみているのに気づきまして。面白かったのでご紹介したいと思います。
= 目 次 =
曲の構成
曲全体の構成としてはこんな感じと思われます。
前奏
1番Aメロ前半
1番Aメロ後半
1番Bメロ
1番サビ
間奏(1-2)
2番Aメロ前半
2番Aメロ後半
2番Bメロ
2番サビ
間奏(2-大サビ)
最後のBメロ
大サビ
後奏
「ドュビッドゥバッ!!!」のくだり
音ゲー画面上だと、1番サビ終了後、最後の後奏+「ドュビッドゥバッ!!!」のくだりに飛ぶ形になっています。各箇所の表現は筆者のものであり公式ではないですよ、念のため。
楽曲考察
筆者が耽溺してしまったのは、2番が終わった後のこと。
最後のBメロの前半はピアノとストリングス(弦楽器)になるので、それ以外の楽器は黙ってるんですが、うわっとその他の楽器が復活してきたとき、「いない!なんで!?消えちゃったー!?!?」の歌詞にリンクするようにギターの音も消えちゃってるように聴こえるんです。
でもよーく聴いてみると、弦を弾いているようなアタック感のある音が重なっているようにも聴こえる。
左にいるリズムギターの音色がかなりホーン(ラッパ)の音に隠れるので、これはどっちなんだろう?ってなる。消えているのかいないのか。
間奏(2-大サビ)のところも、頭からすでに姿を消しているような気がするんだけど、確証はない。他の楽器たちに、「ミラージュ」級に紛れているのかもしれない。
大サビへのブリッジではいる。かな? だとしても、あの有名な「ここにいるよー」*1的な強めの存在感はない。
そもそも、ホーンの音が豪華に豪快に鳴っているので、全体としてギター音は拾いにくくなっている気がします。1番はまだ「エレガントに参上」してくれてるんだけど、後半に行けば行くほど神出鬼没になっていく感じ。
前奏の後半、ポロロンて右サイドでアルペジオみたいなのが鳴るのが認識の取っ掛かりにはいい感じなんですが、さも「フッ…ここにいるよ。つかまえてごらん?」てわかりやすい足跡を残されたような気持ちになるので、聴き手の探偵魂に火をつける魂胆なのかもしれません。
かお…じゃない、怪盗に誘われてしまうな…
ギターの音の出所を探っていると、「ぴゅーん」みたいな素敵な効果音が飛んできて、捜索が難航したりもします。いかにも位置をかぶせてカモフラージュしているような箇所もあるので。
大サビの入口は楽曲のクライマックスのはずなんだけど、その割になんとなくタテのビート感よりヨコへの抑制が効いた印象を受けるのは、バンドとして怪盗消失の感じを表現しているのかもしれません。ギターの存在感をいっそう抑えて、別の楽器たちもまた突出せず、ステージそのものが映えるように鳴り方を整えているんです。つまり、役者のはけた舞台のイメージ。でも空っぽでさびしいばかりではなく、あくまで華麗に消えて魅せる、というアンサンブルになっている。そしてエンディングに向け、ボーカルのストーリーテラー感が際立って聞こえてくる。
…個人的な儚い推察ですよ。
怪盗ハロハッピー一筋縄ではいかないなあ。
厄介なのはノーツの譜面だけじゃあなかったらしい。
キャラクター考察
筆者を翻弄する「ハロー、ハッピーワールド!」の皆さんです。
音楽(なるべく当該曲絡み)を軸に、敬愛を込めてご紹介させていただきます。
■弦巻こころ(ボーカル、CV伊藤未来)
世界中を笑顔にするため率直に行動。怖いもの知らずでハチャメチャなキャラクターなので、音が派手でも性質として全然負けてない。鼻歌で楽曲の礎を構築するあたり、先天的な音楽センスを感じる。時折見せる鋭い観察眼はあなどれない。以下メンバーを招集したことがその何よりの証であり、更に実現できたのは人徳のなせる業だろう。
■瀬田薫(ギター、CV田所あずさ)
演劇部の人気者。ギターは役作りの延長で習得しており、役者としてのプロ意識はマジモノ。舞台上では隙なくひたすら華麗なので、当楽曲上聞き手を翻弄するには、正に「イケてるキャスティング」。どこまでが演技なのか判然としないところもあるので、この人の本質は白鷺千聖*2にこそ確認するべき。
■北沢はぐみ(ベース、CV吉田有里)
元気印を糧にギター経験から根性でベースを習得。ソフトボールでチームプレイを感覚として理解していると思われ、また相手を負かすことに躊躇を感じる優しさを持っているため、バランス感覚の大事なバンドのベースポジションには適性ありか。当楽曲ではBメロの長音などで、曲という舞台装置における場面転換に寄与していると感じる。
■松原花音(ドラム、CV豊田萌絵)
ドラムをそもそも辞めようとしていたものの、こころの影響で失っていた自信を取り戻す。この曲でのイニシアチブを考えれば成長っぷりは明らか。表面上は「ふえぇ~」となりがちだが、どのメンバーにも堅実に対応できる大らかさはバンドの潤滑油。興奮してリズムが走ったりはしなさそう。
■奥沢美咲/ミッシェル(DJ、CV黒沢ともよ)
他メンバーのパート以外をDJとして一手に引き受けており、この楽曲上の重要性は計り知れない。基本的に振り回され役の常識人として機能する。総じて、姉であることによる面倒見の良さが作用している気配。「何事もほどほど」を自認しているが、着ぐるみDJプレイのみならず楽曲制作もこなす。普通にすごい。
今回のことがあって、改めて「怪盗ハロハッピーと豪華客船」のエピソードを見てみましたが、楽曲考察した上でキャラたちの物語に触れるのも趣深いですね。
おわりに
楽曲のあれこれについて、自分の中でも明快な答えは出てないんですが、そういう推理力を働かせながら聴く、という新しい切り口を提供してくれているとも思います。ファントムシーフなので、特にギタリストが挑戦状を投げてきてる格好ですかね。この場合、インストはとっても便利。
音楽鑑賞において、そんなふうに何かの楽器に注目して追いかけて聴く、ということを筆者はよくやります。いろんな発見に出会えてとても楽しいですよ。リピート回数に拍車がかかってしまう。この曲もまだまだ聴きどころがたくさんありそうです。
最後に更なる敬意を込めて。
Elements Garden(作詞:織田あすか、作曲・編曲:藤間仁)、西沢栄一、穴澤淳、桃山竜二、ほか立役者の皆様方。バンドものってことで、実際に演奏するのもキャラたち本人、という設定が、作り手サイドに縛りをもたらすケースもあるかもしれませんが、これからもどうぞよしなに。
※記事内における敬称は略させていただきました
ゲーマーあるある?な記事なら↓
楽しむはずが苦行に…人がゲームに溺れてしまう理屈 - 書きもの日和。
*1:ドラマ「奪い愛、冬」より。水野美紀の怪演ぶりが話題に。
*2:同コンテンツ内別バンドPastel*Palettesのベーシスト。CV上坂すみれ。薫の幼馴染